「ぎっくり腰」という言葉をよく聞きます。
なってしまった方はよくわかると思いますが、とてもとてもツラい症状です・・
常月接骨院では腰痛の重症度を4段階に分けています。
レベル1は異常はあるが症状は軽微。
レベル2は日常生活は通常に送れるが気になる痛みがある。
レベル3は日常生活動作に支障をきたす状態。
レベル4は日常生活を送るのが困難な状態。
だいたい“腰が痛い”といって来院される方はレベル2、ひどい状態でレベル3の方がほとんどですが、本当の「ぎっくり腰」になってしまうとこのレベル4という状態にまでなってしまうことも少なくありません。
ぎっくり腰は重いものを持った時になる・・・?わけではない。
なんとなく「ぎっくり腰」の原因のイメージというと、引っ越しなどの重たい荷物を持ち上げた時に“Σぎっくり!”と痛みが走るようなイメージですが、実は案外そういった原因で来院される方は多くありません。
ほとんどの方が“え?こんなことで?”というちょっとした動きでなってしまいます。
キーワードは
・頭と腕の重さ
・体幹の準備不足
です。
以前のコラムにも書きましたが(こちら)、頭部は約5~8kg、片腕は約4kgあります。
重さが遠くにあればあるほど支えるための力はより大きなものが必要になってきます。
たとえば棒の先端にボウリングの玉が刺さっているようなもの持つ時、玉と反対端を掴んで水平に近づけるように倒そうとすれば相当強い負担が手にかかるはずです。
前屈時はまさに同じような負担が腰部にかかります。
もし蛇口を捻ろうとしたり、ごみを拾おうと腕を伸ばしていたらさらに腕の重さの分の負担が加わります。
しかし、日常生活においてこういった前屈運動は必要不可欠です。
本来ならしっかり体幹を支える機能がその腰部にかかる負担を予測し、それに必要なだけの力が出力されます。
ですが、自分が目や頭で予想していた負担よりもより強い負担がかかってしまった場合は、それに対応できず、強い力が腰の関節や軟部組織にかかり、「ぎっくり腰」になってしまうのです。
また、必要な筋の出力を出そうと思っても、腰に関係するどこかに異常があった場合はうまく機能が発揮されない場合があります。
ぎっくり腰になってしまったら…
「ぎっくり腰」のことを我々は「急性の腰部捻挫」と呼んだりします。
ですのでいわゆる足首の捻挫のように、患部は強い炎症を起こします。
炎症症状は約3~4日間。ピークは24~48時間です。
つまりやってしまった時よりも翌日の方が強い反応が出るので、その時は平気でも注意が必要です。
炎症反応時は湯舟に浸かったりお酒を飲んだりすると、血流が増すことで炎症反応も強くなる可能性が高まります。お酒は控え、お風呂はシャワー程度がいいでしょう。
この時は安静が好ましいですが可能であれば日常生活の動きは行ってください。。
雑誌やインターネットでオススメしているような運動やストレッチは必ずしも個人個人に当てはまるものではなく、持っている異常・症状によっては逆に痛めてしまう場合もあるので、「ぎっくり腰」になってしまった場合はリスクを取らずに安静にして、信頼できる接骨院や整形外科さんなどに行きましょう。
ですが、全く動かない状態よりも、実は少しでも動いている方がより良いとされています。
もちろん過度に動くことは避けて頂きたいですが、ずっと寝っぱなしよりも少しでも身体を動かすようにしましょう。
当院では痛みの元を作っていると思われる関節に刺激の少ない矯正をすることで機能を取り戻す施術を行っています。
自動昇降式のベッドを使いますのでご自身で起き上がりや立ち上がりが困難な方でも安心ですし、むりやり関節を捻るような施術もしませんので怖くありません。
「急性の腰部捻挫」は当然ケガですので健康保険を使用できます(職場や通勤途中でのぎっくり腰は労災となります)。ご安心ください。
ですが、こうなってしまうとしばらくはトイレに行くことすらも困難になってしまいます・・。
先程も少し述べましたが、発生してしまった負担に対して、身体に異常があると必要な出力が発揮されず支えられない為に「抜けて」しまいますので、少しでもおかしいなと感じたら早めの来院をオススメします。